基本レベル効果とカテゴリー

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古典的カテゴリー論に論理的行き詰まりがあるのは、基本レベル効果(basic level effect)から確かめることができる。

ここでは例として「パソコン」に関するカテゴリーを考えてみよう。パソコンを属性の抽象度で大雑把にカテゴリー化すれば、次のような結果が得られる。

  1. 道具
  2. 電化製品
  3. パソコン
  4. iMac

最上部に位置する「道具」は最も包括的なカテゴリーである。逆に、最下部に位置する「iMac」は製品名であり、最も具体的なカテゴリーだ。尚、iMacにも様々な種類があるため、1つのカテゴリーとして存在できると考える。

さて、古典的カテゴリー論によれば、「iMac」が最も認識しにくいカテゴリーになる。なぜなら、iMacは「道具」、「電化製品」、「パソコン」など、それよりも上位にあるカテゴリーの属性を含んでいるため、最も複雑なカテゴリーになるはずだからだ。

対照的に、同理論に従えば最も認識しやすいのは「道具」である。同様に属性の数で考えた時、「道具」は最も属性が少ないシンプルなカテゴリーだからである。

しかし、実際に私たちにとって最も馴染みのあるカテゴリーは、おそらく「電化製品」か「パソコン」であろう。このように、最もアクセスがしやすいカテゴリーを基本レベル(basic level)と言う。「道具」は抽象的すぎ、逆に「iMac」は具体的過ぎて、基本レベルには成り得ない。

基本レベルは主観的に決まる問題であり、客観的な尺度で考えることは難しい。その意味で、カテゴリーを客観的・固定的に分類できるとする古典的カテゴリー観は、現実世界を正しく表現できると言い切ることができないのだ。

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