認知言語学と比喩

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比喩と聞けば、多くの人は文学作品に出てくるようなレトリックのことを思い浮かべるだろう。これまでの言語学ては、比喩は「言葉のあや」とされ、修辞学などの限られた範囲で扱われるマイナーな存在にすぎなかった。しかし、認知言語学では比喩は人間の思考そのものであり、我々の言語表現に欠かせない基本原理と捉えられている。

まず、認知言語学における比喩とは、転義(trope)が発生する言語表現を指す。

例えば、「子供は天使」は、人間の子供は実際の天使ではないものの、天使のように可愛い存在であることを表現している。「天使」の本来の意味とは異なる概念で使われているため、これは比喩であると言える。他方、「子供は天使のようだ」では、転義は発生していない。認知言語学において、「子供は天使のようだ」は狭義の比喩とは言えない。

このように、比喩を研究することは、ある表現の文字通りの意味(literal meaning)意図された意味(intended meaning)の関係性及び、その背景にある原理を探求する作業と言えるだろう。

比喩には大きく分けて、次の3つがある。

  • メタファー(metaphor): 類似関係
  • メトニミー(metonymy): 隣接関係
  • シネクドキ(synecdoche): 包括関係

それぞれの詳細は別エントリーで説明しよう。

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