認知言語学のカテゴリー観と古典的カテゴリー観

目の前に2本のペンが置いてあるとする。2本のペンはデザイン、長さ、メーカー等が異なると仮定しよう。しかし、それを見せて「この2つの物体はなんですか?」と聞けば、おそらく誰もが「ペン」であると回答するだろう。

姿形の異なるモノを見て、我々がそれを「ペン」と認識できる理由は何であろうか? また、その答えに対して我々がある時は違和感を覚え、ある時は容易に同意できる理由は何であろうか? これらの理由は、認知言語学のカテゴリー(category)によって説明することができる。

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言語表現とフレーム

語句や表現の理解とは、暗記した辞書的な意味を機械的に当てはめる作業のことではない。ほとんどの言語表現ではそれを理解するために必要な背景知識が存在し、それはフレーム(frame)と呼ばれる。

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イメージ・スキーマと言語分析

私たちが世界の様々な事象と接する際、その1つ1つのすべてを単一の物事として知覚しているわけではない。ある状況と別の状況が論理的に関連していないように見えても、無意識のうちにそれらの共通性を見出すことで、同じ言語表現を使って表すことができる。

このような知覚を紐解く手がかりの1つに、イメージ・スキーマ(image schema)がある。単純化して言えば、イメージ・スキーマは図式で表される抽象的な知識構造だ。私たちが物事に接することで直接的に抽出される、認知的能力と言ってもいいだろう。

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用法基盤モデルと文法のネットワーク性

認知言語学の中でも、いわゆる「文法」に関心を持つものが認知文法だ。認知文法は従来の生成文法と大きく異なる文法観を持ち、それを理論的に支えるのが用法基盤モデル(usage-based model)である。

用法基盤モデルにおいて、文法は記号の集合体と考える。我々は普段の言語使用において、抽象度が低い記号を使用することが圧倒的だ。そこで、具体的な言語表現からボトムアップ的に言語の構造を考えるのが、用法基盤モデル最大の特徴である。

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図と地の認知

今、目の前に半分だけ水が入ったコップが置いてあるとする。「水が50ml入っている」と量を描写する方法を除けば、大きく次の2通りの表現が可能だろう。

  1. 水がまだ半分も残っている
  2. 水がもう半分しか残っていない

どちらも半分ほど水が入ったコップを表しているが、その捉え方が異なる。1つ目の例は水の残り部分に注目しているのに対し、2つ目の例はグラスの空の部分を指した表現だ。

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ゲシュタルト知覚と構成性の原理

1+1は2となり、2+2は4となる。単純な算数では要素同士を足し合わせることで、それが全体となることは容易に理解できるだろう。しかし、言語において「部分」と「全体」の関係性は、長年議論の的となってきた。

心理学や自然科学の世界で、分解された個々の要素を再結合することで、意味の総和を導き出す考えは要素主義と呼ばれる。これは言語の世界で構成性の原理(principle of compositionality)として知られ、今でも外国語教育の理論的支柱となっている。

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シニフィエとシニフィアン

ソシュールは言語をひとつの記号体系と捉えた上で、それはシニフィエシニフィアンによって構成されていると考えている。

シニフィエは「概念」と呼ばれる。例えば「本」という記号であれば、「情報が印字された紙の束」がシニフィエだ。これは現実世界に実際に存在するモノではなく、概念体系の中に存在する捉え方と言っても良い。

一方、シニフィアンは「音」である。「本」は「情報が印字された紙の束」というシニフィエに、[hon]というシニフィアンが付与された記号と言える。

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ソシュールの記号観と認知言語学

近代言語学の父と言われるフェルディナン・ド・ソシュール(Ferdinand de Saussure)は、言語をひとつの記号体系と考えた。

記号(sign)は、概念(シニフィエ)音(シニフィアン)の結びつきで構成されている。その結びつきは恣意的(arbitrary)であり、概念と音の関係性に必然的な理由はない。

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海外MBAホルダーが選ぶ経営学のおすすめ本20選

「流行りのビジネス書は読み飽きたので、そろそろちゃんとした経営学の本で勉強したい」と思うビジネスパーソンは多いでしょう。

そこで、海外でMBA(経営学修士)を取得した筆者が、経営学のおすすめ入門書20冊を紹介したいと思います。

ビジネスパーソンだけでなく、MBA進学を考えている方の事前知識として読める本を取り上げていきましょう。

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